2027年春夏、EENKはコレクションを「E for Evoke」と名づけた。この文字は、ヘミ・リーが季節ごとにたどるアルファベットの一文字であり、同時に、彼女のメゾン名のなかに二度現れる文字でもある。波打つように作られたドレスのなかで、この文字が成り立つかどうかが問われる。
ソウルの印刷機
ヘミ・リーは、ソウルにある両親の印刷所で育った。両親は今も金属活字を手で組み、書体を仕分け、紙を扱い、印刷機を動かしている。デザイナーはそこから、レタリングへの愛着、紙の重み、紙面に載るインクへの好みを受け継いだ。そして一つの確信も得た。つくることは、刻むことである。
メゾンの名にはこの痕跡が残る。EENKの二つのEは、彼女の名と姓の頭文字に由来する。
暦としてのアルファベット
このLetter Project が、コレクションの順序を定めている。各コレクションは一文字の名を冠し、一つの章を開く。EENKによれば、各文字は直線と曲線の建築であり、その結合は韓国の伝統衣装ハンボクにも見られるものだ。シルエットはこの考えのもとで組み立てられ、余白の空間は形と同じだけの重みを持つ。
今シーズンの文字はEである。それはメゾン名の頭文字でもあり、名のなかに二度現れる。意図されたものと示す根拠はないが、EENKのアルファベットはここで出発点に戻ってくる。
文字が衣服について語ること
メゾンはこのコレクションを、1920年代にモードが女性に与えた自由の側に位置づけている。それは、人生を楽しみ自己を表現するための装い方として読み直されたものだ。シルエットはゆったりとして、結び目、リボン、ボディスのディテールで和らげられている。流れるようなドレスとスカートは波打つリズムをたどり、シャツとアウターは重ね着のような印象を与える。ニュートラルな色調には、やわらかなミントとパウダーピンクが加わる。貝ボタンと花柄のシルクは、メゾンが軽やかな白のハイライトにたとえる輝きを添えている。
二つの不変の要素がシーズンを貫く。ダブルブレストのジャケットは、モチーフのように毎回のコレクションに戻ってくる。結び、巻き、一輪ずつ様式化されたバラは、韓国の伝統的なモチーフを引き継ぎ、エディット・ピアフの「La Vie en rose」 への敬意を表している。
どこを見るか
文字は、その実と虚によって読まれる。それが今シーズンの判断基準である。ダブルブレストのジャケットはEENKのレパートリーのなかで最も建築的な一着で、線は明快であり、文字は無理なく読み取れる。波打つドレスこそが本当の課題を突きつける。そこでは素材が動き、余白の空間は一歩ごとに変わるからだ。結び目やリボンは、線を定めることも、薄めることもある。アルファベットの体系は規則を課し、規則はそのシーズンの積み重ねで判断される。Eが方法のなかで何を保ち、何を変えるのかである。
推論はここに行き着く。生地が動くところでも文字が読み取れるなら、ソウルの印刷所は出自の逸話であることをやめ、裁断の道具になる。そうでなければ、E for Evokeはタイトルにとどまるだろう。メゾンは、真にグローバルな最初の韓国のファッションメゾンになるという野心を掲げており、その野心はまさにこの一点を通ることになる。文字のアイデアは、言葉のなかでしか成り立たないなら、海外へは運ばれない。


















































































































































































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