人を驚かせようとするヴィンテージもあれば、納得させることを選ぶヴィンテージもある。1855年にGrand Cru Classéに格付けされたChâteau Cantemerleは、2020年をはっきりと後者に位置づける。造り手自身が、華やかというより、精緻で調和のとれたワインと説明している。この二つの言葉を並べると、メゾンの哲学がよく見えてくる。左岸の他所で追い求められる見せ場よりも、スタイルの一貫性を重んじるのだ。このヴィンテージの評価は、これまでのヴィンテージと同じように、時間だけが辛抱強く仕上げていくだろう。
98ヘクタールの畑は、第四紀の砂利とシリカの土壌に広がり、水はけは自然に良い。ブドウ樹の平均樹齢は40年である。ボルドーでは、この樹齢は一般に、豊かさよりも安定性に向く根の成熟を意味する。このヴィンテージのアッサンブラージュは、カベルネ・ソーヴィニヨン58%、メルロー29%、カベルネ・フラン7%、プティ・ヴェルド6%で、カベルネ・ソーヴィニヨンが明確に首位を占める。構造と熟成に耐える力を通常支える品種である。
カベルネ・ソーヴィニヨンが主体で、砂利土壌の自然な水はけが加わることで、すぐに魅了するより長く持つことを念頭に置いたワインの輪郭が浮かぶ。メルローが優勢となって口当たりの丸みを早く与えるアッサンブラージュとは逆に、Cantemerleはここで瓶内熟成の緩やかさに賭けている。このヴィンテージの熟成の可能性に、格別の自信がなければできない選択だ。
手摘みでの収穫と丁寧な選果の後、ワインはフランス産オークの樽で12か月熟成され、そのうち40%が新樽である。果実に寄り添い、支配しようとしない控えめな熟成で、メゾンのスタイルとして掲げる繊細さを保つ。この新樽の比率は、100%新樽を用いる多くのGrands Crus Classésより控えめで、果実とテロワールを、樽が自らの木の署名を真っ先に刻むことなく表現させるという、明確な様式上の選択を示している。
テイスティングでは、香りにサクランボと黒い果実のニュアンスが現れ、花の香りと繊細なスパイスの気配が点在する。口当たりは包み込むようで、溶け込んだタンニンと優雅な質感に支えられ、フレッシュでバランスのよい余韻へと続き、確かな熟成の可能性をうかがわせる。これが推奨小売価格36ユーロで提供される。1855年格付けのGrand Cru Classéとしては、メドックの同等のクリュと比べて、比較的手の届きやすい位置づけである。
この2020年が行間で語るのは、1世紀半以上前から格付けされてきた造り手が、力の誇示よりも均衡を重んじ続けるという、明確な選択である。何が何でも力強さを求める賭けより控えめだが、しばしばより長続きする賭けだ。しかもこの賭けは、ボトルを開けた時点では決して判断できない。最初のテイスティングで告げられた熟成の約束を、時間が裏づけるか、あるいは覆す、数年後にようやく判断できる。

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