コースト・トゥ・コーストで、ミラノのメゾンは旅を構築の原理に据える。それぞれのシルエットは、定められた目的地ではなく、通り抜けられた風景となる。
ある場所を語るコレクションもあれば、移動を語るコレクションもある。アニオナは2027年春夏コレクション「コースト・トゥ・コースト」で後者を選んだ。四つの楽章からなるその道のりは、メゾンによれば「移動を内面の変容の行為ととらえる人々の、終わりなき旅」をたどるものである。この着想自体はモードにおいて新しくはないが、アニオナの扱い方は新しい。ここでは衣服がどこか別の場所を表すのではなく、その質感をまとっている。
第一章「ライトスケープ」は、夕暮れの街に低く差し込む光から始まる。軽やかなダブルフェイスのカシミアによるノーカラーコート、短いケープ、丸みを帯びたボリュームのブルゾンが彫刻のような優美さで進み、ブークレは春の空のやわらかな明るさをとらえる。一方、テクニカルナイロンは都会的で明快な幾何学を描いて折り畳まれ、ゆったりとしたブルゾンやすっきりしたパーカになる。色はエクリュ、ベビーブルー、ピーチピンクで、メゾンによれば、街の表面で踊る光の色だという。グラフィックなステッチはパジャマやガウンの上に道筋を描き、よりテーラードな日中のワードローブへとつながる。シルクのカディ地のコート、ウエストを絞ったブレザー、身体にぴたりと寄り添う流れるようなピースである。
「フィールズ・ドリフト」は視線を田園へと移す。バタヴィア・リネンは、ネイビー、ボルドー、ピンク、エクリュの色合いで、スーツ、ボンバージャケット、トラペーズドレス、クロスシャツに、くつろいだ洗練をもたらす。花柄はここで宙に浮かぶ記憶のように現れる。ふんわりとしたスカートやブレザーにはビーズで刺繍され、シルクのミディ丈ドレス、パジャマパンツ、シアートップではプリントとなって溶け込む。パンチングレザーはバミューダショーツやドローストリングのウエストを備えたフィールドジャケットに仕立てられ、コレクションが戸外へと移る転換点を示す。パンチングレザーとスエードのウルトラフラットなスニーカーが、この遠い道のりに寄り添う。
「エンドレス・スレッド」は、旅の内なる物語を続ける。それは模様と記憶のなかに携えられる旅である。コットンポプリンのカフタンやサファリシャツはワイドパンツと合わせられ、透かし刺繍があしらわれる。透かし編みのクロシェニットが新たな軽やかさを添える。終わりなき動きの象徴であるミッレ・ノーディのモチーフは、リネンのトラペーズスカートに刺繍され、あるいはシャツドレスにプリントされる。パレットはバター、パウダーピンク、淡いブルーへと移り、やがてアースカラーに合流する。「リヴィエラ・レヴェリー」は、海のきらめきで道のりを閉じる。コーラルとスカイブルーのストライプ、軽やかなデニムに施された風のようなサンガッロ刺繍、繊細なレース、流れるようなカフタンである。
メンズコレクションも同じ地平に沿っている。くつろいだスーツとストライプのパンツをセパレートで組み合わせ、現代の旅人の自信を示す。ミッレ・ノーディのモチーフは軽やかな夏のシャツを飾り、開放的なクロシェニットは、引き出しに忘れられたネクタイの記憶を模様として呼び戻す。レザージャケットとボンバージャケットは、記憶と生成のあいだに宙づりになったこのワードローブに、控えめな威厳を添える。
四つの章を超えて「コースト・トゥ・コースト」全体を貫くのは、ものづくりの信念である。リネン、シルク、カシミア、しなやかなレザーは、ここでは単なる上質な素材ではなく、目的地同士を結ぶ糸だ。アニオナはそれを装飾ではなく、職人技の実証として示す。衣服においても旅においても、大切なのは到着ではなく、道中で起こる変容なのだと思い出させるものである。





































































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