美容小売店が外見に基づく差別に対して立場を表明する。この取り組みは、まさにその外見を変えるという約束の上に歴史的に事業モデルを築いてきた業界から出てきたものとして、意外に映る。それでもセフォラはこの賭けに出る。Project Hearts Not Hateは、このテーマに関する同社初の大規模な世界的取り組みで、10月10日の世界メンタルヘルスデーに合わせて始動した。メンタルヘルスにささげられた日付を、外見に基づく差別という特定のテーマに結びつけることも、決して自明ではない。それは両者の関連を暗黙のうちに認めることであり、外見の問題を美的な領域だけから取り出して、心理的なウェルビーイングというより広い領域へと戻すことを意味する。
この取り組みは、イプソスが10カ国で2万1人を対象に実施した調査に基づいており、その結果が問題の大きさを示している。成人10人中7人が、外見を理由に差別や評価を受けた経験があると答え、81%が、それを目撃したときにどう反応すればよいか必ずしも分からないと認めている。セフォラが行動を起こすと決めたのは、まさにこの最後の数字に対してである。
この気づきを後押しするため、同社はNGOのRight To Beと組み、SEPHORA H.E.A.R.T.S.を立ち上げる。これは、目撃者や味方となる人々に、こうした状況を予防し、見極め、寄り添うための手がかりを授けることを目的とした専用の研修である。差別を直接受けた人だけに向けるのではなく、この取り組みはまず周囲の人々、すなわち同僚、友人、場面に居合わせた見知らぬ人々を対象とする。傍観者の沈黙は行為そのものと同じ重みをもつという考えに賭けているのだ。始動を記念して、セフォラはRight To Beおよび地域の団体に寄付を行う。
目撃者の研修に特化したNGOと組み、社内でプログラムを開発しなかったことで、セフォラは、これほど繊細なテーマに独自の答えを即興でつくるのではなく、すでに実績のある手法に頼ることができる。大手小売店がしばしば陥りがちな、外部の専門知見なしに自前の啓発ツールを単独でつくりたがる誘惑とは対照的な慎重さである。
それでも対比は際立っている。外見を良くするという約束で成り立つ業界が、その同じ外見に基づく評価に反対する研修に資金を出すのだ。そこに都合のよい矛盾を見ることもできるし、逆に、引き受けた責任の一つのかたちを見ることもできる。人が自分自身と他者をどう見るかの中心に位置する存在が、その中心性がもたらすもっとも有害な影響を無視せず、そこに働きかけることを選んだという責任である。
Project Hearts Not Hateが、象徴的な日付をめぐる一回限りの広報の枠を超え、ブランドの商品キャンペーンと同じように長く続くものになるかどうかは、まだ分からない。取り組みが身ぶり以上に何かを変えるかどうかを判断できる地平は、それしかない。この研修を「初の大規模な世界的取り組み」と位置づけたことで、最初から基準は高く置かれた。それは、10月10日前後のメディア向けの始動に満足せず、このプログラムの具体的な効果を長期にわたって記録していくことをブランドに課す約束である。


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