Monclerの2026年秋コレクションには、ほとんどすべてを物語る装いがある。Prince of Walesチェックのパンツにナイロンのレインコートを重ね、金色のクリップで留める。大学図書館に似合いそうなケープのような着こなしだ。これは商業的な意味でのスタイリングではない。服による物語である。「Le sens du Détail」という名に、Monclerはここ数シーズン追い続けてきた試みを言い表す言葉を見つけたようだ。重ね着を、ひとつの言語にすること。
Monclerは1952年、フランスIsère県のMonestier-de-Clermontで創業した。長くその名を象徴してきたのは、高山のためのダウンジャケットだ。機能的で、技術に裏打ちされ、一目でそれと分かる。だが、この秋のコレクションが問うのは、もう少し繊細なことだ。寒さではなく、視覚的な奥行きへの欲求から服を重ねるとき、その行為は何を意味するのか。答えは素材の取り合わせにある。ナイロンと縮絨ウール、Oxfordコットンとコーデュロイ、ドレープしたショールと仕立てのよい襟が、音階のように響き合う。
色彩も素材と同じことを語る。グレー、カーキ、アイボリーをはじめとする穏やかな色調を慎重に配し、そこへチェリーレッド、バターイエロー、スカイブルーが、簡潔な譜面に現れる音符のように差し込む。色を使うこと自体が目的ではない。色は句読点であり、読み過ごしそうな言葉に置かれたアクセントなのだ。
ドレープしたショールには、とりわけ目を向けたい。片方の肩で結ばれ、あるいはテクニカルナイロンのブルゾンの上で即席のフードとなり、反復するモチーフとしてコレクションを貫く。巻く、結ぶ、垂らすという所作には、古く、ほとんど古典的な身振りが宿る。Monclerはそれを現代に戻しながら、少しも時代錯誤に見せない。その所作に意味があるのは、服そのものがそれを必要としているからだ。重ね着は飾りではなく、構造なのである。
クリップのアクセサリーも、別に語る価値がある。控えめながら至るところに現れ、コレクションの中心にある考えを形にする。何ひとつ永遠に縫い付けられてはいない。外し、組み替え、また留めることができる。仮の姿であること、変わる権利を引き受けるファッションだ。耐久性と意味が絶えず問われる業界で、着脱できることを主たる表現手段に据えるのは、どこか反骨的ですらある。
このコレクションが呼び起こすのは、大学図書館、夕暮れ前の光、二つの修士課程を掛け持ちしながら授業の合間に本を読む学生といった情景だ。誇示するラグジュアリーとは異なる。素材と重ね方に注意を注ぐ、知的なラグジュアリーであり、着る人にも自分の選択を理解することを求める。この服は、何気なく着るものではない。
「Le sens du Détail」を通してMonclerが磨いているのは、これからの十年に向けた自らの定義かもしれない。山から生まれ、原点を裏切ることなく街へ降りる術を学んだメゾン。防寒のための層を、意味を宿す層へと置き換える。技術は今もそこにある。ナイロンの仕上がりは申し分なく、縫製も確かだ。それでも技術は、もっと壊れやすく、もっと大切なものの後ろに退く。ものを見る、その眼差しである。




















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